相性のカギを握る遺伝子 HLA

恋愛遺伝子と言われるHLAとは?

相性のカギを握る遺伝子 HLA

1954年白血球の血液型として発見された「HLA」(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)は人の体内のほぼすべての細胞と体液に分布していて、免疫に関わる重要な物質です。
臓器移植の際に、臓器の相性を決めるカギがこのHLAなのですが、


A座、C座、B座、DR座、DQ座、DP座など多くの抗原の組み合わせで構成され、それにさらにそれぞれが数十種類の異なるタイプ(アリル)をもち、ハプロタイプ(父母それぞれから受け継いだ遺伝子座の一対)の組み合わせは数万通りともいわれます。出典:hla.or.jp/about/


HLAは、体に侵入してきた外敵に対抗する免疫の仕組みをささえている物質で、色々な組み合わせのHLAの型を持っている方が、病気に対抗する力が強くなるんですね。

より強い子孫を残す事ができるので、HLAの型の違う相手に惹かれるという生き物の本能があるんです。

そして、HLA型の違いはフェロモンの組成の違いを生み出しています。

HLAと男女の相性の関係

HLAと男女の相性の関係

Tシャツの嗅ぎ分けテストの実験

1995年スイスのベルン大学 クラウン・ウィスデキンド博士のとても面白い実験の報告があります。
普段全く接触ない男女の学生50人に対して行われた実験です。

実験前には、ニンニクなど体臭に影響の出るものを食べることを禁止し、タバコも香水もなし・石鹸も無香料のもので、シーツも新品にし、できる限り関係ないニオイを遠ざけて行いました。


そして、男子学生に、二晩に渡り着たTシャツを、女子学生に嗅がせ「いい感じ」か「嫌な感じ」かを答えてもらいました。
そして、それを11段階の点数で採点してもらったのです。

実験結果

その結果、殆どの女子は、HLA型が自分と似ている男子学生が着ていたTシャツよりも、HLA型の似ていない男子学生が着ていたTシャツの方が、高い点数を付けたのです。


そして、それに対し感想を書いてもらうと、「元カレの匂いがした」とは「彼氏を思い出した」というコメントが多くありました。

HLAが相性を決める本能

このHLAの実験の結果で、HLAが人間の相性に影響を与えていると考えられるようになりました。


相手の顔を見る事もなく、話もせずにただTシャツを嗅ぐ事によて「好み」かどうかを判別しているのですから、「ニオイ」や「フェロモン」という信号が、HLAの識別に使われていると考えられるんです。

ただし、例外がひとつあり、これもまたクラウン・ウィスデキンド博士の実験により明らかになりましたが、自分のHLAの型と全く同じ型の男性にも惹かれるという事がわかったんです。


それは、父親から受け継いだHLA型限定とされ、母親から受け継いだHLA型は避ける傾向にあると報告されました。

人の意識とは全く無関係の遺伝子という本能が、相性に大きく関わっているんですね。


無意識のうちにHLA型を嗅ぎ分け、パートナー選びの上で相性を見極めているという、何とも不思議な現象が起こっているわけですが、人間の本能は本当に凄いものなんだと、紗江は感じましたよ。

妊娠のしやすさにも影響があるHLA

まだ驚く事に、女性が妊娠しやすいかどうかにHLA型が関係あるという事実も報告されているんです。

不妊治療のひとつに、「体外受精」ってありますよね。
妻から卵子を採取して、試験管の中で夫の精子を使い受精させます。

この方法で何度やっても受精が成功しないケースを調べていったところ、HLA型の一致度が高い夫婦程、成功が難しいという事がわかったというんです。

妊娠しない理由を、遺伝子だけで考えるのは、何ともせつない話ですが、

  • より強い子孫を残すため
  • 女性はより病気になりにくい強い免疫を持っている子ども

そういった本能が備わっているんですね。

HLAに拘らず出逢いを大切に

HLA型の一致・不一致に男女間の相性が左右されるのなら、ひたすら直感的にこの男性だと感じる相手を待ち続けるべきなのでしょうか?


本能的に直感的に、それがどこの程度なのかどんなものなのか、そんな事わかりませんよね。
顔がタイプだから一目惚れする場合だってあるでしょう。

私たちの本能は、自分で全く自覚がないところで働いていますので、本能的なHLAの相性がどうとか拘らずに、どんな小さな出逢いであっても大切にしていきたいなと紗江は考えます。

合わせてご覧下さい。

HLAの識別に使われているフェロモンについて⇒フェロモンっていったい何?