シングルマザーの見た夢
年下の彼との12年ぶりのセックス
爽太は彼のペニスで、仰向けになった百合花の体の芯を、ひたすらに突いてきた。
時にねっとりとGスポットの周辺をカリ首で圧迫し、あるいは膣奥の向こうにある内臓に響くほど激しく。
繁華街の外れにあるラブホテルの一室。そこでふたりは、実に12年ぶりに愛を確かめ合っていた。
爽太の動きに合わせてベッドは軋んだ。
百合花は押し寄せてくる快感に、37歳の熟れた体を激しくくねらせながら、乱れた。もう喘ぎ声もろくに出せないほどに息は乱れ、過呼吸ぎみに首を左右に振った。
もうダメ、壊れてしまう・・・と思い逃げようとしても、爽太に両手を取られ、彼の腰に自分の腰も押さえつけられていては、この快感の渦から脱出するのは困難だった。
いや、逃げられるけど、自分から逃げようとしていないのかもしれない。快感が自分の身も心も崩壊させてしまうのを、心のどこかで期待しているのかもしれない。
彼にだったら、壊されてもいい。
なぜなら、彼は彼女にとって大切なひと。夫に裏切られ、幼い子供を抱えて途方に暮れていた時、彼女の魂を救ってくれた神様のようなひと。
捨てられた直後には恨んでもいたけれど、それでも忘れられない、運命のひと。
爽太の動きが止まった。
しかし彼は百合花を一瞬見つめただけで、彼女の背中に手を回して引き上げ、対面座位の体位を取った。
今度は腰を小刻みに揺すりながら、耳たぶ、首筋、そして乳首を唇で甘噛み。
「あ、ああ・・・」
先ほどまでとはまた異なる快感。ベッドの軋む音が消えたぶん、ふたりの結合部から生じるいやらしい音が強調された。
最初に出会った頃は、まだセックスに慣れていない彼だった。百合花の仕込みで成長したが、それでも今のようなレベルまでは至らなかった。12年という歳月の長さを感じた。
百合花と爽太の出会いは、15年近く前までさかのぼる。ふたりは、同じコンビニのパート・アルバイト仲間として出会った。
百合花は夫の浮気が原因で離婚したばかり。
爽太は、年下の大学生。
彼は陸上部に所属し、たくましい身体と日に焼けた肌の持ち主だった。イケメンで、爽やかで、真面目な青年でもあった。
一時的に男性不信になっていた百合花だったが、爽太には他の男性にない優しさ、誠実さ、心遣いを感じた。
彼女は好意を待ち、爽太もそれに気付き、ふたりは男女の仲になった。
時に激しく、時に穏やかな交歓
爽太は、百合花を腰に乗せたまま仰向けに、騎乗位の態勢を取った。彼女は下から見上げられるかたちとなり、羞恥心から両腕で胸を隠した。
それでも爽太は動きを止めながら、百合花を目で舐めまわした。そして視線の先は、ふたりの結合部へ・・・。
「見ちゃイヤ!」
百合花は爽太に覆いかぶさった。そんな彼女の背中に手を回し、ゆっくりと濡れた膣へ差し込んだ。
「ああ、あああ・・・」
熱いペニスに絡みつく百合花のうねる粘膜。ふたりの体が溶け合うような快感を覚える。
爽太はわざとペニスをゆっくりと引き抜くと、ペニスに纏わり付いた愛液が糸を引く。そして、ペニスで撫でるようにクリトリスへ擦り付けた。
ピチャっと音を立て、ペニスの先端でよじれる紅く硬くなったクリトリス。コリっとした快感が身体を突き抜け百合花に電流が走る。足先まで痺れる感覚を覚えながら、なんども繰り返されるオーガズム。
亀頭で撫で回されながら、身体をビクビクと痙攣させる百合花の高揚する肌に、爽太の欲情が一気に吹き出した。
勢いよく一気に突き刺し、爽太は腰を激しく振ってひたすら膣奥を突いた。激しくピストンする腰は、まるで釘を打ち付けているかのように強く加速していく。
百合花は自分の口がわななき、爽太の胸の上で、たわわな乳房が揺れるのを感じた。爽太は彼女の背中に回した腕に、徐々に力を込めた。
彼女はイった。
飛んでしまいそうな意識の中で、失われた12年の間も、彼と一緒にいたかったと、微かに思った。
3歳年下の彼は、別れる直前まで、確かに彼女を愛していた。彼が中堅の商社に就職が決まった頃には、彼女の娘も引き合わせて、家族になる段取りも整いつつあった。
しかし、爽太の母親が猛烈に反対し、結婚どころかふたりの仲までもが「なかった事」にされてしまった。それは、彼女がバツイチだったから。子持ちだったから。学歴もなかったから。
別れの時、彼は心から辛そうだった。しかし百合花はもっと、屈辱を覚えた。惨めだった。
それも、もう昔の話になってしまった。歳月は心の傷を、消さずとも目立たなくした。
そして彼は今、確かに百合花の目の前にいる。
その爽太は、百合花の息が落ち着いたのを見て、体を起こした。
また対面座位のかたちになって、しかし腰を動かす事もなく、口や手で愛撫をする事もなく、ただ頬を寄せて、強く抱きしめてきた。
百合花の中にあるペニスも、存在感を示しながら、彼の心臓の鼓動に合わせるように脈動するだけだった。いや、それは百合花の心臓の鼓動に呼応していたのかもしれない。
身も心も、彼に同化するような心地で、百合花は心が酔うようだった。膣が、キューッと強く締まる心地とともに、2度目のオーガズムは静かに迎えた。
(こんなセックスもあるの・・・)
心がとろけるような甘美な快感が、百合花のすべてを満たしていった。
叶えられた夢
爽太に静かに抱かれながら百合花は、彼を心から赦そうという気になった。当時まだ子供の延長線上にいた爽太は、親の意向は絶対で、それに逆らえなかったのだろう、と。
そういえばここ最近彼女は、夢のような事を考えていた。彼とまた会いたい、と。
彼と別れてから百合花は、何人かの男性と付き合った。しかし誰も爽太を超える存在にはなり得なかった。できるなら、その爽太とまた心と体で交わりたい、と。
叶うはずのない夢だと思っていた。しかしその夢は、正夢になった。いま爽太は、彼女と一体になって、愛を確かめ合っている。百合花は、彼を強く抱きしめた。
ふたりは唇を合わせ、舌を絡めた。再び彼女の膣がキューッと収縮し、肉棒を強く締め付けた。
・・・これは、オーガズムと呼べるものなのだろうか?ジワジワと湧き上がってくる快感に鳥肌を立てながら、夢が叶った運命に感謝した。
爽太が百合花から体を離し、彼女をうつ伏せにしたのは、じゅうぶん余韻を味わった後だった。
彼は後ろから百合花の腰に手をやった。彼女はヒップを上に突き出し、爽太に協力した。
彼女の腰が後ろに引き寄せられ、爽太のペニスがゆっくりと入ってきた。
(ああ、これこれ!)
百合花は、爽太とのセックスの中で、バックで突かれるのが一番好きだった。野性の動物になれたようで、彼女はメスになりきって、自分のすべてをさらけ出す事ができたから。
期待通り、爽太は情熱的に突いてきた。
パン、パン、パン、とリズミカルな音と、愛液で濡れた粘膜から発せられるピチャ、ピチャという音。それを背後に聞きながら、百合花は、獣のような声を上げた。
それにしても、爽太のタフさは学生だった頃と変わらなかった。
社会人になってから、陸上からは遠ざかったと言っていたが、年に3回くらいはフルマラソンの大会を楽しんでいるという基礎体力の強さが、セックスにも現れていた。
百合花は髪を振り乱し、爽太は腰の動きを加速させ、そしてふたり同時に、それまでになく激しい絶頂を迎えた。
行為の後、ふたり体を密着させながら、静かな時間を過ごした。百合花は何もかもが満たされて、涙が出そうになった。爽太は、我慢できずに涙をひとすじ流していた。
ふたりが再会したのは本当に偶然だった。新幹線で、たまたま近い席に乗り合わせた。お互いすっかり変わってしまっていたが、しかしふたりは互いに気が付いた。
爽太は、まだ結婚していなかった。彼もあれから何人もの女性と出逢った。しかし百合花が忘れられず、そして彼女に与えた罪に対する意識もあり、進展させられなかったという。
部屋を出る前に、爽太は言った。
「もう一度、やり直させてください。
もう僕は、親の言いなりの子供ではありませんから」
百合花は「イエス」の返事の代わりに、深いハグをした。
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