もしも許されるのなら…3
兼業主婦業をこなしながら、イヤイヤ期真っ只中の子供の相手をする毎日。
家事も育児もスムーズに進まないもどかしい日々に、飽きと疲労を感じ始めていた時だった。
「また、前みたいに会おう?」
ストレスまみれの心身に、砂糖のように甘言が自然と溶け込めば、私の返事はただ1つ。
「いいよ」
再会の淫事
「んっ…ふっ、はっ、」
ピンクローターが振動し、内壁で擦れれば、塞ぎ切れない由衣華の唇の隙間から、声にならない嬌声が漏れる。
数年の交際を経て、恋人から夫、且つ1児の父親と、一生を遂げるパートナーへ見事に昇格した淳と喧嘩した静香は、家を飛び出して家事も育児も放棄し、復縁した由衣華と淫事に耽っていた。
赤い光で照らされた妖しげな室内。
毛皮に包まれたファンシーな手錠、ベッドサイドから繋がる足枷、猿ぐつわ、アイマスク、ローターやバイブなどのアダルトトイ。
そして、可能な限りありったけそれらを装着した一糸纏わぬ由衣華。
レズセックスのメインとも言える貝合わせはもちろん、2人だけの公開マスタベーションなどの羞恥プレイ、コスプレセックスなどなど、今日まで様々なプレイを楽しんできた。
しかし、情緒が不安定な静香に合わせ、由衣華が選んだのはソフトSMプレイ。
ベッドでM字開脚をしたまま、手錠と足枷、目隠しと猿ぐつわで体の自由を奪われた彼女は、静香と同じく主婦で1児の母とは思えない程に、淫らで妖艶だった。
そんな浮世離れした由衣華の姿は、喧嘩後特有の罪悪感や自己嫌悪などの鬱蒼とした感情以上に背徳感を刺激し、静香の心を忽ち解放した。
そんな晴れ晴れとした気持ちのまま、静香は片手でリモコンのボタンを押した。
「んっ! …んんっ!」
すると、濡れた入り口に埋め込まれた機械が気紛れに振動し、唇を塞ぐ球体の隙間から、くぐもった声が漏れると同時に、拘束された四肢や肢体が捩れた。
微弱な振動で刺激を受ける度、蕩けるような熱が由衣華の全身に蓄積されていく。
しかし、それは静香も同じで、由衣華が目の前で乱れた姿を曝す度、彼女の局部もキュンと疼いた。
((もっと…もっと感じたい))
膨れ上がった2人の欲が合致した。
淫靡なお預け
当然、先に行動を起こしたのは静香で、由衣華の口許から猿ぐつわを外し、唇を解放した。
「猿ぐつわ外したんだから、可愛い声いっぱい聞かせて」
アイマスクに遮られた瞳に、笑みを浮かべて言うと、静香は開かれた脚の間に顔を近付け、埋め込んだローターを取り出した。
顔を出したそれは、由衣華の淫蜜に濡れていて、赤い光の下で妖し気な艶を見せていた。
卑猥さを纏ったローターとリモコンをベッドへ無造作に置くと、静香は小さく収縮を繰り返す蜜口に唇を寄せて舌を伸ばした。
「ひぁっ…!」
機械の振動とは違う感触に、由衣華は短い悲鳴を漏らしながらピクリと全身を震わせた。
濡れた感触に悶える彼女を前にしたまま、静香は伸ばした舌先で、周辺を濡らす蜜を舐め取りつつ、下から上へゆっくりと輪郭を辿る。
「ひっ…あっ…あぁっ、」
「すごい、舐めても舐めても濡れてくる」
その状態を由衣華に示すように、静香はジュッジュッと大袈裟に水音を立てながら、止めどなく溢れる愛液を啜った。
「あぁぁんっ…あっ、吸っちゃっ、ダメっ、」
そう懇願する声は、濃く熱や甘さを孕んでいて、説得力の欠片も感じられなかった。
寧ろ、溜め池が決壊したように潤滑剤が溢れてくる様子は、もっと吸って欲しいと言っているようにしか、静香には思えなかった。
咥内へ流れる淫液が、舌や頰裏の粘膜をねっとりと濡らす。
それは、結婚後も時々味わう、苦味や生臭さが強い淳のねとっとする精液と違い、さらりと甘酸っぱくて、静香に目眩がする程の恍惚感を与えた。
ずっと味わっていたい、そんな風にすら思えた。
「はっ、あっ…あぁんっ!」
咥内に広がった余韻まで、蜜壺から溢れる蜜を味わっていると、筋肉が収縮して入り口が狭くなり、静香の舌を締め付けた。
由衣華の意思に反したその仕草の意味を、静香はすぐに悟った。
「…イキそうなの?」
「はあっ…んっ、イクっ…!」
甘くも切羽詰まった声音で、由衣華は答えた。
そんな彼女の言動に自然と、静香の口元や頬の筋肉が弛む。
それは、長い年月で築いた関係の中での、勘や予想が当たったからだけじゃない。
「クリトリスも触らず、入り口舐めただけでイキそうなんて、そんなに溜まってた? 最後に宏樹くんとセックスしたのいつ?」
口角を上げながらも、静香は舌を目一杯伸ばして舌先で蜜肉を突くように舐め上げた。
すると、唯でさえ狭まった肉口がまた僅かに口を閉ざし、濡れた異物に絡んだ。
「あっ…んっ、3年くらいっ…、子供できてからはっ、1度もっ…お互いっ、時間が、合わなくてっ」
「そうなんだ…だったらその分、一緒にたくさん楽しめるね、」
由衣華の返答で、独占欲や征服欲といった背徳的な欲求を満たされると、静香は狭まった入口から顔を離し、涙で濡れているであろう、瞳と目線を合わせた。
「えっ…静香っ、何でっ、止めちゃうのっ…」
悦びの頂点へ上り詰める寸前で愛撫を止められ、局部や腹部の奥を虚しく疼かせたまま、由衣華は思わずそう聞いてしまった。
その振るえた声からは、まるで母親に置き去りにされた幼子のような悲しさや切なさ、そして続けて欲しいという我儘が見え隠れしていた。
結婚して夫を持つ人妻であり、且つ一児の母親でもある由衣華は、立派な大人の女性だ。
しかし、自己中心的な欲求や感情をコントロールする理性を無くした今の彼女は、自身の思うままに突き進む無垢な少女だった。
「イきたい?」
感情の読み取らせないような、平静を装った静香の声に由衣華は、小さく頭を縦に何度も振って肯定の意を示した。
「だったら、私のアソコも、舐めて? それで、気持ち悦くして?」
久方のオーガズム
言うと、静香もベッドに足裏を置いて、左右に目一杯開脚すると、由衣華の後頭部に両手を添え、自ら暴いたその場所へ、彼女の顔を近付けた。
心情と同じく、高揚を見せる静香の秘部から仄かに漂う香りが、由衣華の嗅覚を擽る。
色香に満ちた、芳醇なそれに導かれるまま、由衣華はまた少し顔を近付け、舌で静香の濡れた肉に触れた。
静香の淫部から滴る液体と由衣華の唾液が絡み合う、ピチャピチャと下品な水音が室内に大きく響く。
「はっ、…っぁ、あっ、」
悦ぶ場所を探し当てるように、熱く滑る入口の周辺や少し奥まった蜜路で、尖らせた舌先を細かく動かして掠めれば、静香はベッドに置いた四肢をピクリピクリと震わせながら、熱い呼気ごと色めいた声を溢す。
静香の反射的な身動ぎが生む僅かな振動、シーツが擦れる音、そして何よりも乱れた呼吸が、視界を閉ざされながらも彼女を絶頂へ誘いたい由衣華にとって、重要な手がかりだった。
些細な音や振動を余さず感じ取る為に、全神経を尖らせながら、刺激を送る。
「ひぁっ…あっ、今の場所っ、気持ち悦いっ、由衣華っ、」
由衣華の少しザラりとした舌が、不規則にうねる蜜壁に触れる度、思考回路が徐々に鈍くなり、頭がぼんやりしていくのを静香は感じていた。
探るような動きは、静香にとって予測が困難でそれで、それがまた彼女を着実に悦びの頂点へと導いた。
「ココ?」
「ひっ…あっ、あっ…そうっ、そこっ…!」
静香が一際悦んだ場所を示しながら聞くと、由衣華はそこをズラさないよう、チロチロと、舌先で蜜壁を擽る。
「あっ、はぁっ…すごいっ悦いよっ、由衣華っ、」
半ば譫言のように、そんな言葉を溢す声には、由衣華を高みに導いていた時よりも、甘さや艶かしさを色濃く孕み、余裕のなさを示していた。
(…すごく色っぽい)
声だけでも読み取れる静香の乱れ様に、由衣華もまた悦びを感じていた。
より淫らになる様子を感じたい彼女は、舌を離して蜜口を解放した。
静香の淫蜜で濡れた舌と唇、鼻先で薄く柔らかな茂みや、熱を持って膨れた肉唇を掻き分けて到達したのは、日常のクールな姿からは想像も出来ない程に、彼女を淫乱な姿に変貌させる豆粒程の突起。
静香に悦びの絶頂が近付いている今、それはいつも被っている包皮を突き破り、触ってくれと言わんばかりに膨張していた。
「ひぁぁっ!」
自己主張する秘豆へ、未だ残る欲情液を塗りつけるようにペロリと舐め上げれば、静香は肢体を仰け反らせながら天井を仰いだ。
彼女のその反応を皮切りに由衣華は、飴玉を弄ぶように舌全体で転がしたり、舌先で弾いたりする。
「いっ、あっ、はっ…あぁぁんっ…!」
意識を繋げるよう、小さな瞬きを繰り返す彼女の、無数の下生えに頬を撫でられながら、由衣華は蜜豆を咥内に収めた。
そして、ジュルジュルと音を立てながら、自身の体温と口腔液に濡れるそれに吸い付いた。
「ひあぁぁんっ…!」
すると、ビリビリと鋭く速い電流のような刺激が体中を巡り、静香は声を上げて悶絶した。
全身の筋肉という筋肉が、小刻みに痙攣し、体勢を保つ体力も奪おうとする。
そんな静香の様子を視覚以外で感じ取りながら、由衣華は口の動かし続ける。
上半身の膨らみの先端を弄ぶ感覚で、舌先でピンと弾いたり、力ない唇で甘噛みしたりと、吸着に加えて様々な刺激を与え、静香を悦びの頂点へと導き続けた。
そして、そこへ登り詰める瞬間は、程なくして突如として訪れた。
「はっ、あっ、あっ…いあぁぁんっ!」
これ以上なく膨れた秘豆を、畳み掛けるように強く吸われた瞬間、今日一番の甘い喘ぎを上げると、裸の肢体を弓なりにしならせた。
チカチカした視界はもちろん、脳内も真っ白になって何も考えられなくなり、まるで魂と肉体が切り離されたような感覚に、静香は一瞬襲われた。
もう1つのオーガズム
「はぁっ、はぁっ…久しぶり、こんな感覚っ、」
心身共に現実へ引き戻された静香は、浅い呼吸を繰り返して、乱れた息を正しながら、そんな一声を溢した。
全身に集中していた熱が退き、火照りが徐々に消えると、心地の良い寒さに包まれる。
「…ゴメンね、意地悪して。あと、久しぶりに絶頂を味わわせてくれて、ありがとう」
欲望を発散し、少しだけ理性を取り戻すと、静香は自身の局部に埋まっている由衣華の顔をそっと押し返すと、僅かに湿りを帯びている目隠しを取り去った。
眩しさで思わず閉じられた瞼から、涙が一筋、彼女の頬を伝ってシーツにシミを作る。
「次は、一緒に気持ち悦くなろう?」
言いながら、静香は由衣華の拘束具を外し、四肢を解放した。
何の前触れもなく自由を返還され、状況を飲み込み切れず半ば放心状態の由衣華に近付くと、静香は晒されたままの彼女の局部へ、下腹部を突き出すと自身のそこを押し当てた。
「ぁっ…はっ、」
(こんな、幸せな感覚も久しぶり)
柔らかく蕩けた陰肉の密着は、静香に由衣華と一体になる幸福感を与えた。
純粋な幸せを噛み締める傍ら、久方ぶりの感触に沸き起こる欲望を抑えられず、突き出したままの下半身を、ゆるゆると上下に動かした。
「あっ…はっ…静香っ、」
短く喘ぎながら、切羽詰まった声音で愛しい相手の名前を口にする。
淫らな滑りと熱を纏う、肉同士を擦るだけの単純も、由衣華にとって、この上ない快楽だった。
フラッシュのような閃光が彼女の視界で不規則に煌めく。
愛撫を再開され、由衣華の欲情が静かに爆発した。
「あっ、あっ、んっ…あぁんっ…!」
狭まる間隔、色濃くなる艶かしさや切迫。
すぐに変化を見せた嬌声は、由衣華の絶頂が近い事実を物語っていた。
彼女の欲求を理解している静香は、それを満たす為に下半身に力を込め、摩擦の速度を上げ、未だ蜜が滴り落ちる部分へと急速に熱を集めた。
全身の血液を沸騰させるような熱情が、由衣華の思考を蕩けさせる。
そして、今か今かと待ち望んだ瞬間が、とうとう彼女に訪れた。
「あぁぁんっ! …静香っ…もう私っ…」
「いいよっ…」
「あっ、はっ…んっ、あぁっ…」
湯上りのような、肌にしっとりと纏わり付くような湿度の高い熱を全身で感じながら、由衣華は静香の目の前に、桜色に染まる膨らみの小さな先端部を突き出すように上半身を弓のように仰け反らせて、意識を手放したように静止した。
霧がかかったように、目の前が白く霞んでやがて真っ白になる。
全神経のコントロールを失い、筋肉が完全に弛緩した締まりのない表情は、お世辞にも綺麗とは形容できない。
しかし、それは世間一般の多数の話で、静香にとってはそうでなかった。
閉じ切れずだらしなく開いた唇の端から垂れる唾液を舐め取る。
一瞬、幽体離脱でもしたような感覚を味わうと、いつの間にか閉じていた瞼をゆっくり開いて、由衣華は静香の姿を視界に捉えた。
向けられる愛おし気な微笑みに、彼女も同じ表情をした。
出産や授乳、そして加齢により、今以上に肌の瑞々しさやハリを無くしても、余分な脂肪が乗って体型が崩れても、この熱情も愛情はこの先の未来も変わらない。
興奮の余韻が残る、熱を孕んだ視線をかち合わせながら、彼女たちはそう信じて疑わなかった。
もしも許されるのなら1 / 2 / 3 / 4
(PR)